幸せの条件
 2人は、夕食後に祭り会場に出掛けた。

「見て、こうちゃん。花火だよ。」

海岸を歩く2人の上に花火が打ち上がる。

「すごいな、海上花火。」

少しペースを落とし、次々に上がる花火を眺めた。

祭り会場が近くなるにしたがってだんだん人が増えてくる。

「・・・片瀬。」

孝太郎が私の目の前にすっと手を差し出す。

私は、そっと手を重ねた。

はぐれないように・・・。

繋いだ手に力が入る。

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