双子とあたし。
「和解、ってことで!ほら、観戦しよ!」
「…うん。」
俺にはもう、願うしかなかった。
彼女があの姿を悠太君に見られないように…。
悠太君が彼女に気付かないように…。
―――――…こんな俺が嫌。
薫ちゃんをどんどん好きになっていくたびに、俺はどんどん彼女を引き留めておきたくなってしまう。
それは、『あいつ』と変わらないじゃないか。
――――…そういえば、あいつは今何やってるんだろ。
横目で薫ちゃんを覗きながら、ふと前の彼女を思い浮かべた。