双子とあたし。
――――帰り道。
俺と薫ちゃんは本日の体育大会の話題で盛り上がっていた。
「――――…やっぱし、悠太も悠斗もいい試合したなぁ。」
薫ちゃんは思い出すように目を閉じた。
「…そうだね。俺も観てて楽しかったよ。」
「ほんとっ?!…よかった。」
胸を撫で下ろしたように、薫ちゃんは手を胸にあてた。
「あたし…、英介くんはつまらないかと思ってた…。」
「え、なんで…?」
「…英介くん、ずっと悔しそうな顔してた。」
「――――あ。」
俺の気付いたような顔に薫ちゃんはにっこりと笑った。
「ほんとに、よかった…。」
――――…そっか。
俺もよかったよ、薫ちゃん。
君はあの試合は彼らに夢中なんだとばかり思っていた。
でも、ちゃんと彼氏の俺を気にしてくれてたんだ…。