ずっと前から愛してる
「たっだいまぁ!!」
この空気に最も似つかわしくない奴が
放課後デートから帰ってきた
あたしは制服の袖口で
涙を拭うとソファーから立ち上がって
バカ兄を待ち構えた
「りーほー、いるかー?」
がちゃっとリビングのドアを
理人が開けた途端、
「とうっ!!理穂様の参上ー!」
「うわ、理穂!?
お前は小学生かっつーの!!」
ぴょんっと理人の背中に飛び乗った
「うるさいー、人よりでかいからって
バカにすんなっつーの!!」
「あ、真似した~
って、背の問題じゃねぇし!
やることが餓鬼だっての」
「ムカツクー!!」
頑張って首にしがみついていた手も
そろそろ限界なので
理人の首から手を離し
無事床に着地した