【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「マジで何もなかったわけかよ?」
ありえない。
そんな目で私を見る朱璃。
コクリ頷けばその目は“じゃぁなんで呼び出されたんだよ?”訴えてくる。
『……秘密』
「「はぁっ?」」
見事に朱璃と榎本さんの声がハモった。
だって笑顔を取り戻してありがとうって…私をよろしくってなんか…自分で言うの恥ずかしい。
「なぁ〜んか仁菜、ニヤけてるぅ〜怪しー」
『怪しくない』
言ってガミさんをチラリ見る。
ガミさんは…知ってるみたいだな。壱成さんと翔の事。
ガミさんは私と目が合うとほわり、優しく目を細めた。
『…ほら、もう撮影始まるよ』
キィッ控え室のドアを開け、これ以上追求されない様にスタジオへと向かう。
「もぅ仁菜は秘密主義なんだからぁ〜」
「「もったいぶってないで言えよ!」」
後ろでは亜美奈と、これまたハモった朱璃と榎本さんの声が聞こえていた。