【完】白い花束~あなたに魅せられて〜


「マジで何もなかったわけかよ?」



ありえない。
そんな目で私を見る朱璃。
コクリ頷けばその目は“じゃぁなんで呼び出されたんだよ?”訴えてくる。



『……秘密』


「「はぁっ?」」



見事に朱璃と榎本さんの声がハモった。



だって笑顔を取り戻してありがとうって…私をよろしくってなんか…自分で言うの恥ずかしい。



「なぁ〜んか仁菜、ニヤけてるぅ〜怪しー」


『怪しくない』



言ってガミさんをチラリ見る。
ガミさんは…知ってるみたいだな。壱成さんと翔の事。
ガミさんは私と目が合うとほわり、優しく目を細めた。



『…ほら、もう撮影始まるよ』



キィッ控え室のドアを開け、これ以上追求されない様にスタジオへと向かう。



「もぅ仁菜は秘密主義なんだからぁ〜」


「「もったいぶってないで言えよ!」」



後ろでは亜美奈と、これまたハモった朱璃と榎本さんの声が聞こえていた。


< 386 / 410 >

この作品をシェア

pagetop