思う空*運命の人
自分でも、ビックリするぐらい冷静だった。
それはきっと、龍也さんもビックリしていたと思う。
「………あぁ、そうだな。行こう…」
外に出ると、門の前に昨日と同じ車が停めてあった。
「乗れ…」
そお言ってドアを開けてくれた。
「…ありがとうございます」
乗ると、運転手も昨日と同じ人だった。
龍也さん専用の運転手かな?
そんな事を思っていたら、
「さっきは悪かったな…。あんなところ見せちまって。……まさかお前に助けられるとは、思わなかったが…。」
「あはは……。いえ、何かでしゃばっちゃって、ごめんなさい。あの人…お兄さんですよね……」
「あぁ…。でもあんな奴、兄貴だと思ってねぇよ……」
そぉ、冷たく言った。