君が落とした青空

思いも寄らない状況に、店から出て歩き始める二人を追いかける事も出来ずに、ただしゃがみ込んだ。

ただ見つめながら。
二人で並んで歩く後ろ姿が…徐々に遠くに行く。


ねえ、なんで?本当に――…?


いや、よく考えたら…昨日の電話があの子からなんだとすれば…一緒に出かけることも…おかしいことじゃないのかもしれない…

ゆらゆらと、いつの間にか手から滑り落ちた傘を拾うこともなく立ち上がる。

雨が――…私を打ち付ける。
昨日のように。

いつものように。


「――…!」

その瞬間、一瞬にして昨日の出来事がフラッシュバックの様に私を襲う。

そうだ…昨日。
慌ててポケットから携帯電話を取りだして時間を確認する。

正確な時間は分からないけれど――…おおよその時間は分かるはず。見つかっても良い、止められるなら…!



「まっ――…」


声と多分、同時だったように思う。

聞き慣れたくもない音が、修弥を引き留めようとする私の声をかき消した。



「おい…!男の子が轢かれたぞ…!!」

「救急車!」



もう――…見たくもないのに。聞きたくもないのに。
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