君が落とした青空

その姿に曖昧な笑顔を返すことしか出来なくて、それがなおさら空しく思う。

そのまま女の子は私から背を向けて修弥たちのいる場所に戻っていく。きっと長い間ここにいたら修弥にみつかるかもしれないから、そう考えてくれたんだろう。


――…そもそもなんであの子がここに…

私の姿が中から見えた?
そう思って彼女をもう一度見ると、手に携帯電話を握っていた。


電話しようとしたのか、かかってきたのかは分からないけれど…それで出て来たのか。
タイミングが悪い…

店の中に入るのを確認してほっと胸をなで下ろした。


取りあえずもう少し…もう少しで今日が――…決まる。

ぎゅと服を握りしめて中の修弥を見つめた。

このまま友達と夜まで遊んでいればいいのに。だったらいいのに。


女の子は席について、隣の修弥と話している姿が見える。

私を事は――…言わないとは思うけれど…


そのまま二人が同時に鞄を背負って席を立った。二人だけで、周りのみんなはまだ席に座ったまま動く気配はない。

二人がみんなから離れていく。みんなが二人に手を振る。二人だけで――…店を出る。



――…何で?

何で二人だけみんなから離れるの?

何で一緒に出て行くの。
これから二人で――…出かけるの?


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