pure love

「亮太…捻挫したん?大丈夫なん?」私はやっと亮太に話しかけることができた。
「えーうん。ごめん…市川、心配性やから言いたくなかったのに。ボケ」
私の顔から東間の顔の方に向きを変える。

「絶対バレるんやから今、言っとけばいいやんー」東間は頭に腕を回しぼやーっとしている。東間らしい。
「本間に大丈夫やで。ちょっとボール素手でとって受け取り損ねただけやから。心配せんといて。な?」そう言って包帯を巻いていない逆の手で私の手を握った。

ドキドキする。亮太の一言一言、ひとつの行動にも。
私を安心させてくれるあの笑顔があるから私は笑顔で亮太に微笑むことができた。

「亮太ってあんなに男らしかったっけ?一瞬かっこよく見えたし」夏はアップをしながらさっきの出来事について話してくる。
「愛海はいつもドキドキされっぱなしやで。亮太の行動、全部がドキドキする。こんなに好きになっていいんかな」
「あほーノロケやったら聞かんでー」私はそっと野球部の中にいる亮太を見つめた。

今、思えば全然どぉってことないこと。
手が震えるほどの怪我なんかじゃない。でも亮太がどこか怪我をすると震えが止まらなかった。体じゅうがそわそわしたの。

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