不器用な僕等の唄を

キーボードに指を触れる。

ピアノより軽い感触が好き。

「…沢山いますね。」

轟は観客の方を覗いて、何度も何度も人という字を手に書いて飲み込んでいる。

その様子を呆れて見ていると、矢祇と雪比良が来た。

「遅い、3分遅れ。」

ビシッと紘波が言い矢祇がふざけ、「えへ」と笑って叩かれる。

「あんた等もう少し緊張感持てば?今年、新入部員入らなかったら轟と高橋の2人だけになっちゃうんだからね!?そしたらバンドとして成り立たないし、そのうえ部活として認められないんだから。」

そして早口で捲くし立てる。



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