不器用な僕等の唄を

轟はいつも、最初の一言を言う時にみんなに目を向ける。

いつもその行動に微笑んでしまう。

他人を一番でなくても、考えられるのは優しい証拠だと思った。

「みなさん初めまして!…」


あたしもそういう人間になりたかった。



無事にライブが終わり、各楽器の片付けを済ませる。

「透子、予定ないんなら一緒にまわろーよ?後藤達もいるけど。」

後藤は、よく夜に紘波と一緒にいる男子の1人。

矢祇第2号みたいな奴。

「そうする。」

さっきの事をゼロにしないとしても、気にせずに話しかけてくれんのはありがたい。



< 264 / 310 >

この作品をシェア

pagetop