不器用な僕等の唄を




マンションの5階から顔を出しすカイ。

私はそれに手を大きく振った。

照れるように手を小さく振りかえしたカイは、家に入ったのか見えなくなる。

私も…帰らなきゃ。



そうして、私の家出劇も約12時間を持って、幕を閉じた。





…は良いけど。

所持金15円。

バスに乗れないし、こんな時間じゃ電車すら出てないし!

おまけに少し田舎な方だから、人がいない!

野宿?

さっきのバス停のベンチに座りこんで、携帯を探したけど、充電が切れていた。

…こんな時に限って。



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