想い、果てるまで





「お前、午後からの競技休め」



………



「……嫌…」


私がそう返事をすると、紫波は大きく溜め息を吐いた。




「あのなぁ……。お前ちょっと働きすぎ」


「………」


「……ちょっとは他人を頼るとかできない訳?」



いつもの紫波の憎まれ口も、今は疲れて反発するのも面倒くさい。



大体、残念ながら私の希望に満ち溢れている脳味噌には『頼る』という選択肢が存在しない。



自分のことは自分でするのは当たり前。


自分に関することを自分で片付けるのも当たり前。



私は日々『完璧』を作ってきたんだから、今更それくらいどうってことない。



「お前が倒れたら、迷惑するのは俺たち周りの奴。ちゃんと考えてんのか馬鹿」



こんなつもりじゃなかった。



何で私はこんなに疲れたの?



確かに体育祭の準備やら練習やらは、他の人に比べて何倍もハードだっただろう。


だけど、それだけだろうか。


私は、考えないようにしてきたあれを、やっぱりどこかでずっと考えてたのでは。





………あぁ。


私はこんなに悩んでるって言うのに、何でこいつはこんなひょうひょうと。



「ちゃんと出るよ。皆にも迷惑かけない」


「その体でよくそんなこと言えるな」



また、そんな人を見下したような目をして。



そうやって、今まで他人と距離を置いてきたの?





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