【僕らの撃退大作戦】


防犯ブザーを押した時に点滅するランプは各階にあり、どの階にいても強盗の侵入がわかるようになっていた。


ブザーが押されると警察から確認の電話が入るのだが、それに出ない場合と、警察と取り決めた暗号を言った場合に警察が来るようになっている。


それに出るのは勿論支店長のササキである。


先程から電話をちらちらと見ているのはそのためだ。


ちなみに、支店長不在の場合に次点でとるのが誰かというのも細かく取り決められており、誰も出ないことは有り得ない。


つまり出ない場合は、犯人に止められているからということになる。


出るのが犯人に許可された場合や、運良く出ることが出来た場合は、電話の相手が警察だと犯人に気付かれない暗号でなければならない。


そのため、商談の電話と言っても差し支えないような、ありふれた言葉になっていた。


「問題ありません」


これが本日ササキが言うべき暗号である。


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