【僕らの撃退大作戦】

タジマの場合


────────…


ササキが自席に座って書類を見始めた、午後三時。


内勤役席の次長、タジマは、手動で操作する営業室のシャッターを下ろしていた。


操作といってもただボタンを押すだけ。


誰かにやらせるのが日常だが、あいにく今日は誰もが手一杯。


仕方なしにタジマが下ろしていた。


窓口には、支店の向かいにある弁当屋が来ていて、ちらちらとこちらを見ている。


いつもにこやかな笑みを向けてくるのだが、今日はそれがなく、少し気になった。


だが、シャッターを下ろしているから見てるのだろうと、タジマはそれ以上気にとめなかった。


ちなみに今日、その弁当屋に会うのは二度目。


いつもは愛妻弁当を持ってくるタジマだが、今日はそこから昼食を購入していた。


< 30 / 58 >

この作品をシェア

pagetop