濡れた体温ごと奪って


紗耶を抱き上げ寝室のベッドへ寝かせると、その寝顔に吸い寄せられるかの様に視線を反らせずにいた。


まさしく天使の寝顔だな。


お前の寝顔なら、朝まで見ていられる様な気がする。


お前は男にいいように扱われたり…母親の都合で転々とさせられたり…。


波瀾万丈な事があったにも関わらずよく、グレなかったな。


お前は六年前の俺が知ってる姿と、何一つとして変わってねぇ。


お前はどう思ってるかわからねぇがな。



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