濡れた体温ごと奪って
この人は誰?
どうして、見知らぬ私に…優しくしてくれるの…?
「…紗耶っ!!」
ぼーっと歩いていると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
この声は…翔ちゃん…。
や、やだよ。
こんな時に会いたくない…。
聞こえぬ振りをしてしまった。
「…おい。待て。お前、こいつをどこへ連れてくつもりだ?」
「…か、関係ないだろっ!!」
見知らぬ男の人は、私の手を引き翔ちゃんを振り切ろうと強引に引っ張り歩く。