濡れた体温ごと奪って


「…おい、テメー……」


「なっ、なんなんだよっ?!」


「下心…見え見えじゃねーか。悪いがこいつは連れてくぞ」




翔ちゃんは無理矢理私の手を引き、見知らぬ男の人が向かっていた方向とは反対方向へ歩き出した。


や、やだよ…。




「い、やっ。翔ちゃんっ!!離してっ!!」




私は全身に力を込めて翔ちゃんに抵抗をする。


お願いだから…放っておいて。


私の事は…放っておいて…。



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