濡れた体温ごと奪って
私は緊張しながらもバットを受け取るとマウンドへ入りボールが投げられるのを待った。
久し振りに素振りの構えをするので、凄く緊張してるけど中学時代の光景が脳裏に過ぎった。
凄く懐かしい。
たった二年だけど、凄く充実していた二年だったっけ。
暫くしてボールを投げられれば、ぐっとバットを強く握りながら引きボール目掛けて思い切り振った。
―――カキーン!!―――
バットがボールに当たりボールは鋭く跳ね飛ばされた。
久し振りの感覚がとても心地好く、なんだか嬉しい気持ちにかられた。