青い春に落とした思い(詩集)

「有明月」

月が輝くこの時に
今 君は 何を思う

あの日の君との約束を
思い出すよ 夜の中



気付いてたよ
他の誰かが 君の心にいることなんて
だからもう 僕の隣で
無理して笑顔作らないで

明日僕は 君に告げるよ
二人の日々を終わりにしようと
それで君が笑えるのなら
後悔なんて 何もないから



月が輝くこの闇に
今 君は 何を思う

あの日交した約束を
思い出なんかに変えないで



分かっているよ この日々を
終わりにしなきゃいけないことを
僕は それを望んでいない
だけど 君が笑わないから──

明日僕は 君に告げるよ
僕は一人で生きていくよと
それで君が幸せならば
僕は黙って 離れていくから



あの日の二人の約束なんて
もう君には必要ないだろ?
月が欠けてく意味なんて
僕らは誰も知らないだろう?

もうすぐ君は僕を忘れて
きっと思い出に変わるだろう
月はゆっくり欠けていくけど
泣くのは僕一人でいいから

夜明けに月は残るけれど
泣くのは……僕一人でいいから



05.10.22 奏音

※有明月:夜が明けてもまだ残っている月。
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