爽やか抹茶Days~若様のお茶はいかがですか?~



日向に背を向けて試合のためにコートに向かう。
階段まで差し掛かった時本宮先輩が日向に呼ばれた。多分自分の事を言い触らした腹いせに何かするつもりなんだろうな、あいつ。

これから何が起こるか分かってない様子の本宮先輩には悪いけど、何も見なかったフリをして階段を下ると篠塚と沖田に遭遇した。
篠塚、さっきより大分顔色が良いな。


「これからまた試合?頑張ってね。」


お茶を片手にニッコリ笑う篠塚の嫌味のない笑顔にホッとする。
ま、あいつと比べる事自体間違ってるんだけどさ。


「負けないから、俺。絶対に。」

通り過ぎる間際、篠塚の肩に手を置いてそう言ったけれど、俺の言葉に「うん!」と頷く篠塚にはきっと本当の意味は伝わってないんだろうな。
思わず苦笑い…。


でも絶対に負けない。負けられない。
そっと心の中でそう呟いた。


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