爽やか抹茶Days~若様のお茶はいかがですか?~

終わりの秋風は冷たかった



太陽が沈み始めた頃吹き付ける秋風が少し冷たく、それと同時にアスファルトの上の落ち葉が共にひらひらと舞っています。


「襖の陰からハラハラ見てたけど、まさかあさかがあそこまで堂々とお点前出来るとは思わなかったなぁ。」

会の終わりに頂いた余ったお菓子を頬張りつつ私の隣で諒ちゃんが赤と紺色が混ざった空を見上げながら感心したように呟きました。


「本当は私も柚木ちゃんみたいにミスはしてたんだけど何とか頑張れたよ。ありがとう、諒ちゃん。」


直前に厳しい事を言っていましたが何だかんだ心配してくれていた諒ちゃんにお礼を言うと、照れ臭そうにお饅頭を頬張り続けています。

それにしても自分が間違いをしたと分かった時は焦った焦った…。思わず苦笑いが込み上げてきます。



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