ティーン・ザ・ロック




『僕が理事長の息子になる男だからでしょう?』





彼は確かにそう言った。



先生は表情を歪め、あたしはだらしなく口を開けて放心していた。



「どういう事なの…?意味が、良く……」



やっと何かを言えたと思ったら、その声は震えていた。


息継ぎの呼吸も痰が絡まった様に、ヒュッ と鳴ってしまう。



「…母は、近々再婚する予定なんだ。理事長と。


僕を小学生の頃、この学校に入れた直後に知り合って、二人は付き合い出したんだ。


理事長はバツ2、母は未婚で子持ち。


お互い複雑な事情を抱えているからこそ、そういう関係に踏みこめたのかもしれない。



それで…妊娠までした。



母はまた、未婚のまま子どもを産んだんだ。




だけど……。妊娠しても、子どもが生まれても、理事長は母と結婚はしなかった。


僕が自分の学校の学生のうちはやめておこう、って言ったらしい。



事あるごとに身内びいきだの何だのと言われては僕が可哀想だから



って言われたらしいけど




そんなの、僕にとってはいい迷惑だったし、上手い言い回しで断っているとしか思えなかった。



理事長は僕のあの事件の事も知っている。



だから、だろうね。




問題のある生徒の父親になって、自分の評判を下げたくないから、じゃないかな……」



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