ハルジオン。
瞼が重い。

ふいに母親の顔が脳裏をよぎった。


母さん……

俺も、変われるかな?

アイツみたいに、変われるかな?


アキトの顔が瞼に浮かぶ。

けれど、その顔はもうぼやけて巧く思い出せない。


アキト、

頑張れ、アキト……


薄れ行く意識の中で少年の名を呼びながら、達也はゆっくりと瞳を閉じた。

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