ハルジオン。
「そうだ!螢の森だよ!」

「螢の……森?」

その言葉に、ようやく達也は何かを思い出した。

この町のどこかに螢の森へと続く入り口があって、その森に行けば、どんな願いだって必ず螢が叶えてくれる。

そんな類の都市伝説だ。

当時の小学生達はその話をさも本当にあるかのごとく言い広め、あげく地図まで作って探検に出かけたりしていた。

靖之もその一人だったのだ。

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