剣と日輪
 矢代は胸宇(きょうう)でそう公威にエールを送ると、娑婆(しゃば)にUターンしていく。
 公威は、ただ弁当を使っていた。邪念の破片すらなく箸(はし)捌(さば)きをし、唇歯(しんし)の運用に没頭していたのである。
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