剣と日輪
「今度の教育では大いにわれわれの防衛意欲を高めることができました。とくに山本一佐の話には学生たちも感銘し、それに比べると三島先生はまだ子供のようだ、などと言われ、私の株が落ちました。学生たちは大学で、真の人間の声、日本人の声に接していないので、あんな講義を学生たちが心から求めているんだなと思いました。私も学生たちとチームを組んで図戦に参加し、赤恥をかきながらも大いにハッスルし、大変勉強になりました」
(山本舜勝著講談社刊自衛隊「影の部隊」三島由紀夫を殺した真実の告白より)

 山本一佐は世界的文学者の敬服に心打たれ、恐れ入りながら、小さな蟠(わだかま)りの一つ一つが氷解していくのを感愧(かんき)したのである。
< 267 / 444 >

この作品をシェア

pagetop