AVENTURE -君の名前を教えて-
「んぁー!」
大きく背伸びをする。長時間の飛行機移動は初めてで、想像以上に体が固まっていた。
着いた場所は日本から遠く離れた小さな小さな島国。気候は日本と似ていて、四季のようなものがあり、今はちょうど夏に当たる季節。
人口は約3万人程度の小さな国で、今は珍しい君主制度の残った国家だ。
公用語は英語となるが、日本と実は姉妹国らしく、日本語の話せる人間もそれなりにいるそうで、お店なんかでは日本語でも会話が出来る事が多いと、旅行会社のお姉さんは言っていた。
私は空港から見える一面に広がる海を眺めながら、ふん、と鼻を鳴らした。
気持ちを切り替えて、1週間、目一杯遊んでやる!
そう意気込み、ぐっと拳を握りしめた瞬間だった。
ドンッと誰かとぶつかったかと思うと、肩からさげてあったバッグの重さが、急になくなる。
「えっ…」
目の前をぶつかった人物が何も言わずに走り去っていく。
そして気づく。
「や、ひったく…どろぼー!」
はっと気づいた時には、相手はかなり遠くなっていて、もう、追い付くのは無理だと、正直思った。しかし、バッグの中には宿泊先のホテルのメモなんかが入っていて、諦める事は出来ない。
もぉ…ドンだけついてないのよ、私!
泣きそうになりながらも、私は慌ててひったくりの後を追いかけた。
大きく背伸びをする。長時間の飛行機移動は初めてで、想像以上に体が固まっていた。
着いた場所は日本から遠く離れた小さな小さな島国。気候は日本と似ていて、四季のようなものがあり、今はちょうど夏に当たる季節。
人口は約3万人程度の小さな国で、今は珍しい君主制度の残った国家だ。
公用語は英語となるが、日本と実は姉妹国らしく、日本語の話せる人間もそれなりにいるそうで、お店なんかでは日本語でも会話が出来る事が多いと、旅行会社のお姉さんは言っていた。
私は空港から見える一面に広がる海を眺めながら、ふん、と鼻を鳴らした。
気持ちを切り替えて、1週間、目一杯遊んでやる!
そう意気込み、ぐっと拳を握りしめた瞬間だった。
ドンッと誰かとぶつかったかと思うと、肩からさげてあったバッグの重さが、急になくなる。
「えっ…」
目の前をぶつかった人物が何も言わずに走り去っていく。
そして気づく。
「や、ひったく…どろぼー!」
はっと気づいた時には、相手はかなり遠くなっていて、もう、追い付くのは無理だと、正直思った。しかし、バッグの中には宿泊先のホテルのメモなんかが入っていて、諦める事は出来ない。
もぉ…ドンだけついてないのよ、私!
泣きそうになりながらも、私は慌ててひったくりの後を追いかけた。