AVENTURE -君の名前を教えて-
『あっ』

お互いの声がハモった。


…お兄さん、スゴいデス。


「また会ったな」

にっこりと笑う目の前の男性に、私は慌てて頭をさげた。

「あの時は本当にありがとうございました」

空港では反射的に出たお礼しか言っていなかったので、改めてお礼を言う。

「あぁ、気にしなくていい。あんなもの、お互い様だろ?」

笑う彼に、私は少しドキンと心臓が大きく跳ねたのがわかった。

「あの後、大丈夫でしたか?」

恐る恐る聞いてみる。と彼は不思議そうに答えた。

「大丈夫に決まってるだろう」

何処からくるのかわからないその自信満々な答えに、私はおかしくてつい笑ってしまった。

「あ、そうだ。助けてもらったお礼に1杯ご馳走させてください」

彼の手に持ってあるコップの中身が残りわずかになっているのに気付き、お願いしてみる。

「あぁ、それじゃお言葉に甘えて」

屈託なく笑う彼に、私の心臓はまた、大きく跳ねた。
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