狼クン達のオリの中【完】
あたしをからかいもしない西園寺くんに、拍子抜けして気が緩む。



その時。

ぐぅぅぅぅぅ・・・。




最大級の音が、あたしのお腹から聞こえた。


まるで。


『西園寺くん、何かおごって!!』


って、催促しているかのように。






「ひゃぁぁぁ!!」


お腹に手を当てても、お腹の虫はおさまらず、西園寺くんはあたしの様子に首を傾けた。



「ランチまだなの?」


明るく聞かれて、見栄をはる。


「うん・・・。
ダイエット・・・。
女優になるには、スタイルがよくないと・・」


って!!

あたし、いつまで嘘つかなきゃいけないの?

自分の嘘に首を絞められ、深みにはまる。

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