狼クン達のオリの中【完】
休み時間。


「さっきは、ありがとう・・・」


前の席の蘭ちゃんが振り返る。



「助けて・・・くれたんだよね?」


おっとりしたかわいい顔で、小首をかしげる。


「でも・・・。
由梨ちゃん・・・。
さっき言ってた事・・・本当?」


「え?」


「あの・・。
綾瀬くんと・・・」


蘭ちゃんは最後まで口にせず、言いにくそうに口ごもる。


「あー・・・。
本当・・・」


そう言いながらあたしは、蘭ちゃんから視線をはずした。
< 224 / 491 >

この作品をシェア

pagetop