狼クン達のオリの中【完】
「え?」



急いで頭を上げると、綾瀬涼が豪華な門に寄りかかりながら腕組みをして立っていた。




「あ!!!
綾瀬涼!!!
・・・・・さま?」



「はっ。
とってつけたような“さま”だな」




綾瀬涼は門から身をおこし、腕組みをしたまま、あたしを見下ろす。



「やり直し」



顎を突き出し、左唇の端だけ上げる。



傲慢で冷たいその口調に、なんだかとても嬉しくなる。




「風邪は?
よくなったの?
ごめんなさい・・。
あたしの風邪うつしちゃって・・・。
それから・・・看病とか・・・ありがとう」

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