狼クン達のオリの中【完】
ラケットを肩にのせ。


「1ポイントもやらずに、勝ってやろうぜ?」


大胆不敵な笑みを浮かべる。



「え?
それは無理・・・」


言いかけたあたしに。


「バーカ!
オレを誰だと思ってるんだよ?」



傲慢に。


高飛車に。


自信たっぷりに言い放つ。




「それに。
さっさとケリつけとかなきゃ、後に響くだろ?」


耳元でこっそり囁き。




「今日の夜は覚悟しとけよ?」


あたしの耳に、息を吹きかける。




「もう我慢なんて、しないから」


真正面からあたしの瞳を覗き込み。



おでこを指ではじいて。


からかうように、クスっと笑う。





真っ赤になったあたしを見て。


「りんごみたいだな」


ニヤリと笑い。




「早く、食べたい・・・」


甘く瞳を潤ませる。
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