狼クン達のオリの中【完】
「あ・・・綾瀬涼?」



顔をのぞきこんだあたしに。



「バーカ!
綾瀬は余分なんだよ」



そう言い、あたしの鼻をつまむ。



「涼・・・・って。
言ってみろよ」




「え?」



「特別に。
おまえにだけは、呼ばせてやる」



「え?」



「バーカ!!
絶対手に入れるって、言っただろ?」



「え・・・。
じゃあ・・・」



「だから。
さっきから、何度も言ってるだろ?
オレを誰だと思ってるんだよ」




自信に満ちた態度も。



優しさが交錯する冷たい声も。



強引で、オレ様なところも。



全部、全部。




・・・・好き・・・。


好き・・・だよ?





「涼・・・」





あたしがポロリと涙をこぼした頬に、唇を寄せ。




「泣いちゃうくらい、オレが好きなんだ?」


綾瀬涼は、からかうように、クスっと笑う。

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