恋がしたくて…
その手が
とっさに 目をふせる私。


でも、すれ違う瞬間、佐々木さんが こちらをむいたのが 分かった。


思わず 見ると、


そこには あの。


私の 好きな目をした 佐々木さんがいた。


二人で 立ちどまる。



私を 優しく 見下ろしながら、
小さな声で、

「金曜は 大丈夫だった?」
「なんだか 付き合わせちゃったな。 ごめんな。」


と言う 佐々木さん。



違う。 違うよ!


付き合わせちゃった訳じゃない!
私が 好きで 行ったんだよ。

そんな 言い方 しないで。

佐々木さんらしくないよ…。

ごめんなさい。

佐々木さんを そんな風に 弱気に させてるのは、 私なんだよね。



心の 中で 私は 叫ぶ。



そして、その思いは、声に ならないかわりに、

ブルブルッ。

と 大きく、私の 頭を 左右に ふらせた。


赤面して 真っ赤になっているのが分かる。


でも 言えない。


「違うんです。」

って…。

恥ずかしくて 言えない…。



このままじゃ 誤解は とけない。


佐々木さんが いやだった訳じゃない。って、ちゃんと 言わなくっちゃっ。
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