涙の宝器~異空間前編
体は容赦なく弾く紫色のバリアでボロボロと化していた。
俺は麻衣に近寄ってはいけなかったんだ。
これは根源に堪えその想いを胸に異次元へ入る手筈。
だが今の俺はどうだ……?
目の前のことで正気を失い全身をボロボロにしている。
この体でいずれ四百メートルを競い、優勝しなければならない現状さえ見えてはいない。
麻衣は無事なのか…?
バリアのすぐ傍で倒れ込む君にゆっくりと近づく……
息はしているようだったが体が痙攣していて見ていられない。
何か言っている……