涙の宝器~異空間前編
「何?いい思いしたんだからもういいだろ?帰る」

涼はふて腐れた。

「こんなに酔って無防備な女二人を置いてく気?」

「知らないよ」

「帰るまで付き合ってよ!」

「もう帰れよ。明日用事あるんだろ?」

ミコとアユミは入口に座り込んだ。
二人は涼を、薄情者と言わんばかりに睨んでいる。

せっかくの渋谷満喫が女たちのせいで台なしになった。
まさに貧乏くじだ。

「この後はどうすんだよ?」

少し同情して問いかけた。

「クラブ行く」
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