涙の宝器~異空間前編
また日付が変わった。
土曜日になった今日、約束の場所に向かった。

【茗荷谷】

午後十三時、茗荷谷駅に着いた。

(いたっ!)

兄貴は相変わらずだった。
その隣には彼女がいた。
最初は二人で会う話しだったが、俺の気が変わって彼女にも来て欲しいと頼んでいた。

喫茶店に入ると、二人のオーダーを確認した。

「俺持ってくるから二人とも先に上行ってて!」

「一人じゃ持てないだろ?」

「大丈夫だから行って行って」
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