お伽話をキミに。
だろ?と郁は僅かに口角を上げて俺に挑発的な視線を送る。
あ、この郁の表情超貴重。
「………勇気を持たない奴には、か…」
それは、すっごい龍ちゃんらしい言葉。
いつだってそうだ。
龍ちゃんは昔っから何故か自分の行動に絶対的な自信を持ってた。んで、それは必ず吉と出る。
「悠斗…捕まえたいなら、行動あるのみ」
「だよな…見てるだけじゃ姫は捕まえられないよな。迎えに行かなきゃ」
俺王子だし?と笑えば郁は呆れたように、でも応援のこもった顔で笑ってくれた。
その顔に俺のやる気も上がってくる。
15の冬。
俺は一つの決意をした。
必ずこの手に俺だけのヒロインを捕まえます。
act2*end.