お伽話をキミに。
ピンポーン
「こんちわー」
桐花の推薦が決まった俺は、報告がてら先輩になる龍ちゃんの家に挨拶に来た。
久しぶりに来たけど、相変わらず綺麗な家だな。
インターホンの前に立ちながらまじまじと家を見つめる。
するとガチャッと家のドアが開いた。
「…………んだよ、悠斗か」
出てきたのは携帯片手に面倒臭そうな顔をした龍ちゃん。
……いや、確かに突然来たけどさ。そんな顔しなくてもよくない?
しかも何故か制服がはだけてるし。
「………ちょっと待ってろ」
俺に一言そう言ってから、龍ちゃんは一度家の中に引き返しドアを閉める。