お伽話をキミに。




待ってろってことは、一応入れてくれるんだよな?


そう納得して、俺は大人しくドアの前に立って龍ちゃんが開けてくれるのを待った。



…つーか龍ちゃん何か格好良くなってない?

更に背伸びてる気がするし、声も低くなってる。




しかも…なんか色気が…




ガチャ




その時、再び開いたドアに中断された思考。


び、びっくりした…


驚いて顔を上げれば、着たままだった制服から着替えたのか、ラフな格好をしてる龍ちゃんがいた。

携帯も手に持ってないから用事は済んだらしい。




「今、俺しかいないぜ?」


「あ、うん。俺龍ちゃんに挨拶しに来ただけだから」




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