お伽話をキミに。
つーか龍ちゃん、メールとかする相手いたんだ。
中学の頃…いや、もっと前からほとんど誰ともつるまなかった龍ちゃんがメールしてるってなんか変な感じ。
「で?俺に何の用だよ」
ゆっくりした動作でコーヒーを口に運びながら、龍ちゃんは目で話の先を促す。
その言葉に俺は本来の目的を思い出した。
「あ、うん。俺、春から桐花通うことになったから」
郁も一緒に、と俺は持ってきた合格関係の書類を龍ちゃんに見せる。
俺が桐花に行くことが意外だったのか、龍ちゃんは驚いたようにその書類を見ていて。
「なんだよ。そのまま上がるんじゃなかったのか?」
「それも考えたんだけど、桐花のが外国語系しっかりしてるじゃん?だから外部受験した」