お伽話をキミに。
衝撃的すぎる展開で今月号の掲載が終わり、俺は放心状態のまま雑誌を閉じた。
「やべー…続き、早く続き読みたい」
こんないいとこで終わるなんて…!!
俺は来月までこのドキドキを抱えたまま過ごさなきゃなんねぇのか!?
うがー!!!!と一人叫んでいる俺に、郁はついにシカトを決め込んだらしい。
何の反応もしてくんねぇ。
……淋しいんだけど!!
黙々と漫画を読む郁に俺は腕を伸ばしてその肘をつつく。
「郁ちゃ〜ん、続き買ってきて」
「…無理、無いものは買えない。てか、郁ちゃんとか言うな」
視線は漫画から外さず、郁は俺を適当にあしらう。