お伽話をキミに。

《スタートライン》






"憧れの人がいるんです"





その言葉ばかりが頭の中を駆け巡る。


あれから、どんな会話をしてどうやって帰ってきたのかは覚えてない。

気付けば龍ちゃん家のソファーにぼーっと座ってた。

どうやら龍ちゃんは外出中みたいだ。

何で俺が帰ってくんのわかっててどっか行くのかな。




「……まぁ何でもいいや」




いなくなった龍ちゃんのことが気にならないわけじゃないけど、ぶっちゃけ今はどうでもいい。


そんなことより…




「憧れの人って…誰…」




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