お伽話をキミに。




そんな俺の気持ちなんて知るよしもない龍ちゃんは(きっと知ってても同じこと言うけど)ばっさりとそう言い捨てて、気だるげにポケットから携帯を取り出しメールを打ち始めた。

本格的に俺との会話を放り投げたらしい。


えー…一応応援するっぽいことしといて興味なくなったら有無を言わさず放置なわけ!?



いや、つーか酷くない?

餓鬼の恋愛に興味ないって。


俺だって真面目に恋してるんだっつーの!
頑張ろうとしてるとこなの!!




「……そんなんだから、もてないんだよ」


「………………ぁあ?」




ポツリと呟いた言葉が聞こえたのか、思いっきり俺を睨む龍ちゃん。

なんつー地獄耳。




< 97 / 177 >

この作品をシェア

pagetop