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「志乃ちゃん、私は嬉しいよ」

コンビニを出て、秋穂ちゃんはピザまん、私は肉まんをパクつきながら並んで歩く。

「焼き芋、おでん、鍋、お汁粉、グラタン…美味しいものが目白押しのこの時期に、志乃ちゃんはダイエットするなんて宣言してさあ。私は親友に取り残された気分だったのよ」

「……」

己の決意の弱さを呪いながら、ひたすらに肉まんを頬張る。

「下校途中に買い食いこそ、肉まんを食す正しい作法!よくぞここまで成長した志乃ちゃん!」

うるさいなぁ、秋穂ちゃんは!

要するに私がダイエット宣言して二時間もしないうちに心が折れたのが、嬉しくて仕方ない訳でしょお!?

きーっ、悔しい!

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