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春とはいえ、今日は汗ばむほどの陽気。

いつも室内にこもって楽器を相手にしている私としては、この日差しは少々堪える。

練習が始まってそろそろ一時間。

他の部員も暑さには参っている様子だ。

「ふえ~ん、暑いよ部長~」

サックスから口を離し、私がぼやく。

「何だよ、まだ一時間しか経ってないだろー?休憩には早いぞ」

しかめっ面でそんな厳しい事を言う部長。

「だって暑いんだもーん!」

「可愛い部員を熱中症で倒れさせる気かー」

「鬼ー!悪魔ー!」

「我々はこの不当な扱いに断固として抗議するー!」

他の部員達も楽器を置いて、口々に不平不満を述べる。

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