Re:

チュウとアツム

「おはよっす」

校門をくぐって校舎に向かう途中

声をかけられた。

「チュウ……?」

チュウは眠そうにあくびをしながら僕の背中をポン、と叩いた。

「お…はよう」

僕は久しぶりの『挨拶』にくすぐったさを感じながら返した。

「今日、アツムのクラス何の授業?」

「え…と、現国と数学と理科と……」

「体育ないんだ?」

「あ、うん。今日はなかったけど」

「良いなぁ、オレのクラス今日体育あんだよ。この寒いのにマラソンだと。」

凄く嫌そうに眉をひそめる。

そんな表情のチュウを見て、僕は思わずクスクスと笑ってしまう

「あ、今日も屋上来いよ。アツムの弁当の卵焼き予約する。」

「……うん」

「んじゃ、真面目に勉強しろよ。」

廊下で別れ、僕は教室に向かった。


チュウこそ、授業サボっちゃダメだよ?

言いそびれた言葉

なんでだろう

チュウと一緒にいる瞬間は楽しい

そう思える校舎内


チュウと別れた今


たった独り、極寒の地に捨てられたような気分になった。
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