Re:
だけどやっぱり教室に続く廊下を歩くと

体が急に重くなった

………………


「アツム」

ポン、と背中を押したのはチュウ

「おはよっす。」

笑顔で左手をあげて声をかけて来た。

「おはよう」

昨日より自然に挨拶ができた

「アツム、あれ」

あげた左手を差し出した

「アレ……?」

そう言われても全くわからない

キョトンとする僕に

「弁当、出せよ。」

「弁当?なんで??」

首を傾げてしまう

「今日、昼一緒に食うから。アツムがちゃんと来るように人質、じゃなくモノジチ。」

差し出した左手を上下に振り、催促する

「モノジチって…ちゃんと行くよ?」

「いいから」

仕方ないなぁ

そう思いながら

催促するその手に弁当箱を渡す。

「んじゃ。預かっとくからちゃんと来いよ?」

「うん…わかったよ。」

僕の弁当箱を持ち、チュウは教室に向かう。





チュウと別れた後

僕は意を決して教室のドアを開けた。






昨日と同じでありますように

昨日なかったことが今日もないように



心の中でそう祈りながら。
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