Re:

二人と一匹

「アツムー、朝だぞー」

布団にくるまる僕を揺らしながら起こすその声

母さんでも、父さんでもなく

僕は揺らされる中、徐々に意識がはっきりした

慌てて体を起こし、声の主を見る

「おはよーさん」

ニッと笑うその顔はチュウだった。

「おは……よぅ…」

何が起きたのか頭で整理できず条件反射のように挨拶を返す僕。

よく見れば

部屋の入り口で母さんが笑いを堪えながらその様子を見ていた。

「アツム、チュウくんが来てるわよ。」

「寝てるって言われたから起こしにきた。ビックリしたろ?」

僕は素直に頷いた。

目覚まし時計を見ると

土曜日 午前8時半

「そういや昨日、時間言ってなかったな。だいたい9時半が朝の散歩時間だ。」

事後報告を告げられた。
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